ゴム粒子入り凍結抑制舗装振興会(RAS振興会)
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ルビット舗装について
凍結抑制舗装
 
ルビット舗装の概要
 
ルビット舗装の特長
 
ルビット舗装の適用箇所・適用条件
   
ルビット舗装の施工
設計方法などの詳細情報は
  「技術資料」をご覧ください。

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凍結抑制舗装とは

 我が国では、スパイクタイヤによる粉塵が大きな社会問題に発展し、平成2〜3年頃に積雪時

のすべり止めタイヤがスタッドレスタイヤに移行しました。これに伴い、除雪体制の見直しやインフラ

面での整備が進められてきています。特にロードヒーティングのような消融雪設備には、初期投資

もさることながら維持費の面で適用範囲が限られるのが現状です。
 
 こうしたことから、近年、凍結抑制舗装と呼ばれる特殊舗装が注目されています。凍結抑制舗

装とは名前のとおり凍結を抑制あるいは初期積雪の抑制効果や除雪作業の軽減に有効な特殊

舗装の総称であり、下表にその機能と効果をまとめてみました。


 


 凍結抑制舗装には、機構の違いによって化学系と物理系に分けられます。下表は凍結抑制

舗装の分類と特徴をまとめたものです。


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ルビット舗装の概要

 ルビット舗装は、廃タイヤを破砕したゴム粒子をギャップ粒度のアスファルト混合物に混入した

代表的な物理系の凍結抑制舗装の一つです。ルビット舗装では、舗装表面に突出したゴム粒

子が交通荷重によりたわむことで、雪氷が破砕・除去され路面露出が促進されます。

 また、ゴム粒子は舗装体内にも混入されているので、除雪等により舗装表面が削られてもゴム

粒子が現れるため、凍結抑制効果が持続します。

 ルビット(RUBIT)という名称は、ゴム(RUBber)と瀝青(BITumen)をあわせたものです。


 
      写真 ルビット舗装の表面性状


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ルビット舗装の特長

●凍結抑制効果

 ルビット舗装は、舗装表面に突出したゴム粒子により、路面に生成される氷結層が走行車両の

荷重で破壊されやすくなり路面の凍結抑制効果が図れます。また、路面に圧雪層が形成された

場合、圧雪層と路面の剥離および圧雪層のシャーベット化が促進され除雪効率の向上が図れ

ます。

 凍結抑制舗装の氷結時に形成される氷板のはがれ易さを評価する方法として、氷着引張強

度試験があります。

 氷着引張強度の試験結果の一例を下図に示します。図より、氷着引張強度はルビット舗装が

最も小さくなっており、氷板がはがれやすくなっていると推察されます。


●耐流動性

 ルビット混合物は、ポリマー改質アスファルトU型の使用を標準とし、耐流動性は、積雪寒冷地

の一般的な表層用混合物と同等以上です。

 耐流動性の室内試験結果の一例と追跡調査結果の一例を図に示します。



          図の出典元
  
              重交通道路の舗装用アスファルト「セミブローンアスファルト」の開発、
              (社)日本アスファルト協会、昭和59年5月20日の原図を引用し、
              ルビット舗装の追跡調査結果をプロットしたものです。

                                         
 図より、動的安定度DS 値はルビット舗装、密粒度舗装とも同程度です。また、追跡調査の

結果からもルビット舗装は密粒度舗装より、わだち掘れ量が少なくなっています。


●耐摩耗性

 ルビット混合物は、粗骨材量とアスファルト量が多い配合であるため、耐摩耗性が大きい。

 耐摩耗性の室内試験結果の一例と追跡調査結果の一例を下図に示します。

 図より、摩耗量はルビット舗装が最も小さくなっています。また、追跡調査の結果からも密粒度

舗装より摩耗わだち掘れ量が少なくなっていることがわかります。


●すべり抵抗性

 外気温:−9℃の時の氷結路面におけるDF テスタによる動摩擦係数(RSN 値)の一例を下図

に示します。

 図より、−9℃の動摩擦係数は、ルビットが最も大きくなっており、低温時におけるすべり抵抗の

低下が抑制されています。



                     注 : 氷結路面における測定例

●騒音低減効果

 ルビット舗装の路面にゴム粒子が突出していることから、タイヤが路面と接触する際に発生

する加振音を抑制するため、車両走行時の騒音低減が図れます。

 タイヤ/路面騒音の測定結果の一例を図に示します。タイヤ/路面騒音は、ルビット舗装の

施工直後で密粒度舗装と比較して−1.6dB、施工3年後で−1.0dB の低減効果が得ら

れています。

(この結果は、一般車で測定したものであり、RAC 車での測定結果ではありません。)


●他産業リサイクル材料の活用

 ルビット舗装は、廃タイヤのゴム粒子を使用することから、他産業から発生するリサイクル

材料を積極的に活用した舗装です。


●経済性

 ルビット混合物の製造は、通常のアスファルトプラントで行え、施工も通常のアスファルト

舗装と同様に行えることから、特別な製造手段や特殊な施工機械が不要なことから、経済

性に優れたローコストの凍結抑制舗装です。

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ルビット舗装の適用箇所・適用条件

●適用箇所

 積雪寒冷地で路面の凍結抑制が望まれる道路、または温暖地域においても冬期に路面が

凍結しやすい道路で以下の箇所に使われます。

  @ 車両の減速、停止が要求される箇所(急カーブ、交差点付近、踏切手前、坂道)
  A 路面状況の変化が著しい箇所(トンネル、スノーシェッド等の出入り口)
  B 山間部の日陰や橋梁の表層
  C 凍結防止剤の散布を低減させたい箇所
  D 除雪車の出動および凍結防止剤の供給、散布が困難な箇所(山間部)

●適用条件

 ルビット舗装は、舗装表面に突出したゴム粒子が交通荷重によりたわむことで、雪氷が破砕・

除去され路面露出が促進されることから、交通量が多いほど効果を発揮します。なお、ルビット

舗装自体に消融雪効果は期待できませんが、降雪あるいは凍結初期に凍結抑制効果を発揮

します。

 ルビット舗装が凍結抑制効果を発揮するおおよその気象条件は下図に示す範囲で具体的

には以下のとおりです。

  @冬期(12月〜3月)の平均最低気温が
    −10℃以上かつ最大積雪深さ20cm以下の地域

  A冬期(12月〜3月)の平均最低気温が
    −5℃以上かつ最大積雪深さ50cm以下の地域

     注1) 平均最低気温とは、日最低気温の冬期4か月間(12月〜3月)の平均気温
     注2) 最大積雪深さが○○cm以下の地域とは、冬期4か月間(12月〜3月)で積雪
         深さが○○cmを超える日が月の内半分以下となる地域のこと。


図 凍結抑制効果を発揮するおおよその条件
(アンケート調査の解析結果より)

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ルビット舗装の施工

●準備工

 ルビット舗装に用いるタックコート用のアスファルト乳剤は、「施工車両のタイヤに付着しに

くい改質アスファルト乳剤」を標準とし、完全に分解させるものとします。
 
 また、ルビット舗装によるオーバーレイ工事においては、わだち掘れ量に応じて、事前のレベ

リング層の施工が必要となる場合もありますので検討が必要です。

 橋面舗装にルビット舗装を適用する場合、構造物との接触部や水の侵入が予想される施工

ジョイントに、成形目地材や注入目地材を用いて、防水性を確保するものとします。また、水の

滞水しやすい箇所には導水パイプや水抜き孔を設置するものとします。

 ルビット舗装は、下層にアスファルト混合物による基層を設けることを標準としますが、やむ

を得ず粒状路盤上にルビット舗装を舗設する場合は、施工時におけるルビット混合物のズレや

水の浸入を出来るだけ防ぐため、十分に締め固めた強固な路盤を構築するものとします。

●施工機械

 ルビット舗装に用いるアスファルトフィニッシャは、タンパ・バイブレータ併用型の締固め

機構を有するものとします。
 
 初転圧に用いるロードローラは、マカダムローラ10〜12t級を標準とする。2次転圧用には

タンデム型振動ローラ7t級(水平振動ローラの使用が望ましい)を使用します。また、タイヤ

ローラは8〜20t級を使用します。なお、施工規模や施工条件によっては、振動ローラを無

振で初転圧に使用し、二次転圧と併用する場合もあります。

●敷きならし

 ルビット混合物の敷きならしは、タンパ・バイブレータ併用型のアスファルトフィニッシャ

で行います。

●締固め

 ルビット混合物の締固めは、通常ロードローラ、振動ローラ(水平振動ローラ)およびタイヤ

ローラを使用して入念に行います。これまでの経験では、水平振動ローラで転圧すると層の

表面全体で粗骨材の間隙がモルタル分で充填される効果が確認されています。

●すべり止め対策

 施工直後の雨天時におけるすべり抵抗性を確保するため、混合物舗設時において、ルビット

表面に硬質骨材(エメリー等)を散布・定着することを標準とします。

 硬質骨材の散布方法は、敷きならし後または初転圧後に0.5〜0.7kg/u程度散布するも

のとし、硬質骨材を舗装表面に定着させます。

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